愛と憎しみの狭間

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 ――グルルルル!!!! ガブッ!!!! 綾に噛まれた手の甲に視線を落とした。血の粒が、小さなビー玉を作り出している。 「なにこれ……痛い。痛いじゃないのよ! いつだってそう。あんたは私の心を突いてくる――。 私は拓也さんを! あんたは、るいだけを思って生きていれば良いのよ! これ以上悪さをしたら大好きぃーな、あんたの男を取るわよ? いい? 分かったら大人しくして!」 綾の頭を拳で殴り倒した。そして首下に手を回し、ジョウゴをくわえさせ日本酒を流し込んだ。 ――ウー、ウー!!!! 暴れる鼻先。憎たらしい牙。悪態をつく、その口を塞ぎたい……。 片手でガムテープを引き寄せ、綾の口周りから後頭部へと、グルグルと回し口元を塞いだ。 「これで少しは静かになったかしらねぇ? ふふふっ……可愛いわよ綾。そうやって大人しく寝転がってりゃ良いのよ! あははははは!!!!」
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