初夏

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その姿に幹子姉は怒りで頬を朱に染め 喪服代わりの高校の制服のスカートを翻しながら 勢いよく 隣室に続く襖を開けた。 「お父さん お母さん! 充君を連れて帰ろう! いいでしょ!?」 幹子姉の剣幕に気圧され どの大人もポカンと呆気にとられていた。 「ね お父さんいいでしょ?」 たたみかけるように話す幹子姉に伯父は度肝を抜かれたように頷いた。 「そうね。亡くなった玲子さんは主人の妹だし 充ちゃんは幹子の従兄弟。うちで引き取るのが自然かもしれません」 普段は口数控えめな伯母が整然と言い放ち「さぁ 充ちゃん帰りましょう」と俺の手を優しくとった。
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