【第3話】一夜あけて、

15/19
1081人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
  「っ、んっ!?」 押し付けるだけだったその熱を持て余すみたいに、今度はじゃれるように啄んでくる。 反応できない私の様子すら楽しんで、遊んでいるみたいだ。 最後にちゅっ、と可愛い音を立てて離れた長瀬の唇。 私は目を見開いたまま、長瀬の顔のすべてが瞳に映るようになるのを、石のように固まった状態で見つめていた。 「……目くらい、閉じろよ」 「……な、」 私が何か言う前に、大きな手で、視界を塞がれた。 と思ったら、また唇にあの熱が降ってきて。 冷静な頭は、こう叫ぶ。 .
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!