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「ぶはっ! お前、それ意味あんの?」
「うっ、うるさいっ! ないよりマシよっ!」
「いまさらだっつってんのに、わかんねーかなあ」
「そういう言い方するなぁっ!」
恥ずかしさと気まずさと、余裕の長瀬に対する焦りと、それから、いろいろ。
ごちゃごちゃになった思考をどうにかまとめようと必死になっても、どうにも無理な気がした。
「あああ、もうやだ、何これえぇ……」
消えてなくなりたい……
そんな気持ちから、小さく小さくなりたくなった私は俯く。
けれど、上から降ってくる声がそれを許さなかった。
「何言ってんだよ、誘ってきたのはお前だろ?」
「はぁっ!?」
驚きのあまり、首が取れるんじゃないかってくらい、勢い良く顔を上げた。
長瀬は愉快そうに笑っている。
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