【第3話】一夜あけて、

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  「で? どっから覚えてないんだよ?」 そう言いながら長瀬は、スヌーズ設定していたケータイを手に取り、アラームを切る。 あまりに落ち着いた様子に、私とのギャップを感じて戸惑いつつ、私は顔を上げた。 何年も一緒に仕事をしてきて、もう見慣れているはずの顔なのに。 この至近距離で、しかも肌と肌が触れ合っている状態となると……まるで違う。 冷静になんて、全然なれそうになかった。 「ぜんぶ……っていうか、腕、離して……」 「あ?」 「わああ、近い近い近いっ!」 不機嫌そうな声とともに、ずい、っと寄せられた顔を、必死で押し戻す。 .
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