【第4話】一夜の過ち、ではありません

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  「……で、羽村」 「んー?」 「お前、俺が今日ここにいる意味忘れてるだろ」 「へ?」 ビールを飲みながら、隣の長瀬をチラッと見た。 「……何ニヤニヤしてんの、気持ち悪い」 つい、思ったことが口から出てしまった。 そんな私に一瞬驚いた顔をした長瀬が、またにやりと笑う。 「ふーん……俺にそういう態度でいていいワケ?」 「はあ? 何言って……!」 そこで、ハッと気がついた。 そうだった、今日ここに長瀬がいるのは、こんなウキウキ気分で食事をするためじゃない。 ……金曜の失態を、何とか闇に葬り去ってもらうため、だ。 .
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