1836人が本棚に入れています
本棚に追加
「……で、羽村」
「んー?」
「お前、俺が今日ここにいる意味忘れてるだろ」
「へ?」
ビールを飲みながら、隣の長瀬をチラッと見た。
「……何ニヤニヤしてんの、気持ち悪い」
つい、思ったことが口から出てしまった。
そんな私に一瞬驚いた顔をした長瀬が、またにやりと笑う。
「ふーん……俺にそういう態度でいていいワケ?」
「はあ? 何言って……!」
そこで、ハッと気がついた。
そうだった、今日ここに長瀬がいるのは、こんなウキウキ気分で食事をするためじゃない。
……金曜の失態を、何とか闇に葬り去ってもらうため、だ。
.
最初のコメントを投稿しよう!