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止まっちゃうんじゃないかと思うくらい心臓の音がバクバク煩さすぎて、何て言ったらいいのか全然思いつかない。
呆然と固まっていると、吉岡さんがふっと笑った。
「早く食べないと置いてくぞ」
その笑顔反則です。
鳴り止まない心臓の音が煩くて、周りの音が聞こえない。
美味しいと思って食べていたのに、パスタの味さえもわからなくなってしまった。
「……はい、すみません」
なぜか謝ってまたフォークを動かす。
もう2度と口の周りにソースをつけないように、細心の注意を払って。
吉岡さんはオーダーを決めるのも早かったけど、食べ終わるのも早くて、頬杖をついた姿勢でボーっと窓の外を眺めながら私が食べ終わるのを待ってくれていた。
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