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皆少しばかり恐怖に押されているだけであって、金髪の彼の反応が人間として最も自然なことには違いなかった。
「わ、私もっ……」
眼鏡を掛けた、おかっぱの少し気の弱そうな女性が金髪の後を追う。
一見一番強そうな金髪の男に着いていけば、他の人と脱出を試みるよりは安全だと踏んだのだろう。
その頃、金髪の男は扉の前に立ち、ドアノブを捻り始めていた。
ちょうどその瞬間だった。
「待てぇ!!」
密閉された空間に、声が響き渡る。
音が反響し、金髪の男もドアノブを下げたまま、立ち止まった。
「なんだよ?」
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