Creature Cage

起床

コンクリートの広い部屋には、寝心地の悪そうな簡易ベッドが十二人分ある。

それは、この部屋の入り口から見て左側に等間隔で並べられていて、どのベッドも布団が盛り上がっている。

人が寝ているのだ。

反対に、部屋の右半分にはキッチンやテーブル、奥には別室でトイレと風呂など、生活のために必要な空間が設けられている。

ただ、この部屋で何よりも目を引くのは右側の璧埋め込まれた大きな画面。

日本の一般家庭ではまず目にしないであろうサイズ。
数字にすれば、70から80インチ程のものだろうか。

そんな部屋に、布をこ擦り合わせるような音がしたかと思うと、最も部屋の入り口から遠いベッドの布団が捲れた。