【第5話】逃げ道なんて、ありません

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  それにしても。 コイツ、毎回こうだよな。 私は溜息を吐きながら、長瀬を見上げた。 長瀬は、いつも思いっきり私を包み込むかのように拘束して、眠る。 まるで抱き枕にでもなったみたいだ。 ぎゅうっと強く、けれど苦しくない程度にはやさしく。 隙間なく長瀬に包み込まれるこの状態は、不思議と悪くなかった。 ……ひねくれた言い方になってしまうのは、相手が長瀬だからだ。 お互いの鼓動や熱が、触れ合う距離。 あたたかくて、何だか守られているような気さえして。 ……認めたくないけれど、妙に落ち着くんだ。 まあ、今日は服を着ているから、こんな風に思えるのかもしれない。 現に最初のときはパニックだったわけだから、冷静でいられるってスバラシイと思う。 .
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