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それにしても。
コイツ、毎回こうだよな。
私は溜息を吐きながら、長瀬を見上げた。
長瀬は、いつも思いっきり私を包み込むかのように拘束して、眠る。
まるで抱き枕にでもなったみたいだ。
ぎゅうっと強く、けれど苦しくない程度にはやさしく。
隙間なく長瀬に包み込まれるこの状態は、不思議と悪くなかった。
……ひねくれた言い方になってしまうのは、相手が長瀬だからだ。
お互いの鼓動や熱が、触れ合う距離。
あたたかくて、何だか守られているような気さえして。
……認めたくないけれど、妙に落ち着くんだ。
まあ、今日は服を着ているから、こんな風に思えるのかもしれない。
現に最初のときはパニックだったわけだから、冷静でいられるってスバラシイと思う。
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