【第6話】思いがけない、お誘いと

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  「羽村さん?」 神谷さんの呼びかけで、ハッとする。 気がつけば私は、空のグラスを握り締めていた。 「もうないみたいだけど、おかわりでいいの?」 「あ、えっと……待ってください、選びます」 慌ててメニューを取ろうと腕を伸ばすと、傍にあった小鉢を引っ掛けてしまった。 「わっ! ご、ごめんなさい!」 軽くパニックになりかけた私を制して、神谷さんは小鉢を引き取った。 「大丈夫、空だよ。それより……どうかした?」 「えっ……?」 「何だか、考え事でもしてたみたいだから」 「っ……」 答えられない私を見て、神谷さんは探るような目をしている。 けれどそれ以上追求することなく、そっとメニューを差し出してくれた。 .
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