【第6話】思いがけない、お誘いと

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  そして、翌日。 時刻は午後8時半。 私は、『笹川』の前で何度目になるかわからないほど、深呼吸を繰り返していた。 このドアを引けば。 神谷さんが、いる。 そう思うと、目の前の柔らかな色味の木製の引き戸が、とてつもなく重厚な金庫のドアにでもなったかのように感じる。 目に見えない圧迫感、それは自分の中から生まれる緊張のせいだと、自覚していた。 .
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