【第6話】思いがけない、お誘いと

16/33

1844人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
  あのメールを送った後、神谷さんからのアクションは早かった。 『では明日、20時半で。直接店で待ち合わせましょう。僕がまだ着いていなければ、遠慮せず先に始めていてください。』 一人称が、“僕”に変わっている。 そんな小さな変化が嬉しくて、私はすぐに了承の返事を返した。 携帯の方に届いたそのメールは、最初のメールに記載されていたプライベート携帯のもので。 何だかぐっと距離が近付いたような気がして、嬉しい。 連絡してくれたのが携帯だったおかげで、長瀬の視線から逃げるのも容易で助かった。 何としてでもこの約束だけは、守り切らねば。 ……妙な使命感に燃える私は滑稽だが、そんなことはどうでも良かった。 .
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1844人が本棚に入れています
本棚に追加