【第6話】思いがけない、お誘いと

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  『笹川』は、カウンターだけのこじんまりとしたお店だった。 けれど狭苦しいわけではなく、適度に広く低めになったカウンターテーブルに、ゆったりと座れる椅子が二つずつ、等間隔に並んでいた。 一緒にいる相手とは近くに、そして他グループとは程よい距離感を保てる。 落ち着いた空間にも活気があり、お店の人の対応にも好感が持てた。 「いい店ですね」 不意に、神谷さんが呟く。 私も頷きながら、握り締めていたお手拭きを置いた。 「そうですね。期待できそう」 「ええ、楽しみです。さて、何からいきますか? まずはビール?」 「はい、それで」 神谷さんは目で店員さんに合図して、二人分のビールを注文した。 .
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