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「神谷さんは、ご兄弟は?」
「五つ上と二つ上に兄が二人と、三つ下の弟が一人。ああ、羽村さんと同い年かな、弟は」
「へえー! お兄さんに弟さん…すごいですね、四人も兄弟がいる人って初めて会いました!」
珍しいよね、と言いながら笑う神谷さんは、いつもと全然違う。
キリッとしたスーツ姿から想像するいつものクールで知的な感じとは反対に、朗らかでくだけた感じがますます魅力的で、どんどん引き込まれてしまいそうだ。
「まあ、男ばっかりだからね。それはもう、賑やかだったよ」
「楽しそうですよね、何だか」
「はは、子どもの頃は喧嘩も多かったけどね」
当時を思い出してか、苦笑する神谷さん。
その表情が、兄弟仲の良さを物語っていた。
「似てます? 顔とか」
「うーん、どうだろう。上の兄とは似てるって言われるかな。父親似らしくてね」
「へえー……」
五年分、年を取った神谷さんを想像してみる。
五年くらいじゃ、あんまり変わらないよね、と思いながらも少しだけ、くすぐったい。
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