【第6話】思いがけない、お誘いと

24/33

1844人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
  ……そういえば。 「三つ上、なんですね。神谷さん」 「ああ、そうだね、今年三十だから。もうオッサンだよ」 「そんな!」 まさか、と言うように顔の前で手を振る。 その様子が可笑しいらしく、神谷さんは笑いながらグラスを傾けた。 「ありがとう、気を遣わせて悪かったかな」 「いえ! 全然! お世辞とかじゃないですから!」 「ははは、ありがとう。羽村さんは面白いね」 そう言ってまた、神谷さんはロックで注文していた焼酎を飲む。 この間と同じように、喉の動きに見とれてしまいそうになるのをぐっと自制し、私もお酒を飲み込んだ。 .
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1844人が本棚に入れています
本棚に追加