【第6話】思いがけない、お誘いと

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  「羽村さんは二十七、だよね?」 「はい。もう誕生日きちゃいましたから」 「そっか。お祝いしそびれちゃったな」 ……あ、左の眉が下がった。 そんな小さな仕草に、言葉に、また胸がときめいてしまう。 けれどそれを抑えるように、心に生まれた期待の芽を摘みとっていく。 この場にいる相手は私でもいいし、私じゃなくてもいいんだ。 新鮮な気持ちで飲みたかった、くらいの理由で、選ばれただけだ。 そうだ、そうに決まってる。 だから、期待なんか、するな。 自分が傷つかないようにしていることなのに、どうしてだろう、心が重い。 今、この時間はあまりに貴くて、終わって欲しくないと思うのに。 胸が軋んで、どうしようもなかった。 .
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