【第6話】思いがけない、お誘いと

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  「あ、ありがとうございます……」 顔を上げられないままではあったが、それを受け取ろうと手に取る。 が、神谷さんはぐっとメニューを掴んだまま、離さない。 それはつまり、両端をお互いが手にしたまま、の状態になってしまっているということだ。 「あの……?」 不思議に思って神谷さんの方を伺うと、真剣な瞳と視線がぶつかった。 「羽村さん」 「は、はい……」 「何を考えてた?」 静かだけれど、強い口調。 さっきまでのトーンとはまるで違う響きに、息を呑む。 ……怒らせてしまった。 伝わってくる空気から、そう、判断した。 .
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