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「……僕といるのが、つまらないのかと思って、焦ったというか悔しくなったというか……要するに、小さな、嫉妬みたいなもの、だよ……」
……神谷さんが、照れている。
そう認識した途端、私の頬にもボッと火がついたみたいに赤みが差す。
小さな、嫉妬?
それは私が別のことを考えていた、ことに?
反芻すれば反芻するほど、顔が、体が、熱くなっていくのを感じる。
ついさっきまで期待するなと自分に言い聞かせていたのに、そんな表現をされるとは。
まさかの事態に、今度は頭の中がショートしそうだ。
すると机に突っ伏した神谷さんが、弱り切った声で呟いた。
「……あー、もう、ごめん。何か、変なこと言ったね」
その様子に、思わずふき出してしまう。
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