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ああ、何だろう、この感じ。
神谷さんてば、可愛い、なんて。
そんなこと言ったら、失礼なんだろうな。
でも本当、可愛いんだから仕方ない、よね。
堪えようにも、一度決壊した堰は戻らず、私はくすくす笑ってしまった。
むくり、起き上がった神谷さんが不満そうに言う。
「……どうして笑うの」
「……どうしてでしょう……? っ、ふふふっ……ご、ごめんなさい……っ」
謝りながらも、笑いは止まらない。
拗ねたような顔をした神谷さんは、「参ったな」と呟いて頭をかいた。
「酔いが回ってる、ってことで処理してもらえると助かるよ」
「そうします……ふふふっ……」
そう言いながら、私はまだ笑い続けた。
神谷さんは「羽村さんは笑い上戸なんだね、覚えとくよ」と言って苦笑いを浮かべていた。
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