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「あれは夢だが現実だぞ?」
…………ふいに。本当にふいに、声が聞こえた。そちらを見る。
そこには夢でみた少女とそっくりな人物が立っていた、それも空中に。
「しかしまぁ和臣、お前の部屋は汚いな。何度か人間の観察をしてきたがお前の部屋は群を抜いて汚いな。」
彼女は俺の部屋を動き回り、あちこち見回っている。
俺は声を無理やり絞り出す。
「お、おぉぉお前、なな、なんでいるんだよ!あれは夢だろう!」
なんだなんだ何なんだ、夢じゃないのかあれは夢じゃ。俺は夢であってくれと願い、一度眼を閉じた。
そして十数秒してからふたたび瞼を上げた。
「何をしている?あれは夢だが現実でもあるぞ、さっきも言ったろう。そんな目を閉じて願ったところでなにも変わりはしない」
やはり、そこにはメリアーダがいた。
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