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「そんな…嘘だろ…。」
命の危機は、ふたたびやってきて、俺は頭が真っ白になった。
「和臣、いつまでもそうしているな、何のために私達は契約したんだ?生きるためだろう。ならば顔上げて、現実を受け入れろ」
言われ、顔を上げて彼女の顔を見る。
夢でみた、あの凛々しい笑顔。
しばらく顔を見ながら考える。
ながい間を空け、俺は大きな溜め息を吐き出し言った。
「…はぁ、わかった、認める、あれは現実だ。受け入れるよ」まだ全て受け入れられるわけではないが、冷静にはなった。
するとメリアーダはきょとんとした顔で言った。
「和臣、お前ほかの人間よりこの現実を受け入れるのが早いな」
「まぁ、全部が全部受け入れられた訳じゃないけどな、でもいつまでも考えて閉じこもっても良い方には進まないだろう」
昔から俺は切り替えが早かった。
「ふむ、その通りだ。お前は物分かりがいいな。」
彼女はウンウンと首を縦に振っている。
「では…これからよろしく頼むぞ、和臣」
彼女は言いながらこちらに手を差し出してきた。
俺は少し躊躇ったが、その手を握り返した。
「あぁよろしくな、メリアーダ」
こうして俺の、俺と人ならざる者と、堕ちないために戦う非日常が始まった。
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