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「(……!!)」
そこには、真っ赤な椅子にはさっきまで無かったものがあった。いや、正しく言うならば、真っ赤な椅子にそれは腰掛けていた。
白い服、白い髪、白いまつげ、白い肌、白い翼、その身の全てを白と言う白で覆われた存在。
その真っ白で統一された色のなかでただ一点、ひときわ目立つ、真っ赤な瞳。これは、こいつは一体なんだ?人か?天使か悪魔か?はたまた神か?
俺は夢の中だと言うことも忘れ驚き、動揺し、声を発せられずにいた。
すると、向こうから声を掛けてきた。
「やぁ、おはよう、こんにちはか?まぁ夢の中じゃどれでもいいか」
おはよう?こんにちは?なにを言っているんだこいつは。いや言ってる意味はわかるが、この状況はいったい何なんだ。
「あれ?この状況が理解出来てないのか?まぁ無理もない、人間は毎回同じような反応を見せる、仕方のないことさ。ふむ、そうだな…質問があるのなら受け付けよう」
一人でこの白い存在はつらつらと喋っている。質問?聞きたいことは山ほどあるが、頭の中が混乱しすぎて何を聞くべきか判断出来ない。
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