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その後で事件のことを思い出して、一晩中トイレで吐いたと美嘉は言った。
「友達のケータイの番号、勝手に他人に教えるなんてことフツーはしないよね。あんたにはちょっと罰ゲームをしてもらおうと思うんだ」
美嘉は屋上のフェンスにアタシを追い詰めて言った。
「罰ゲーム?」
アタシが尋ねると、美嘉はまた作り笑いでアタシに笑いかけた。
「そう。罰ゲームって言ってもそんな大したことないけど。あたしと麻衣の仲だもんね。あたしの言うことをしばらくの間聞いてくれたら許してあげるから」
罰ゲームについては後から詳しく教える、美嘉はそう言うと、踵を返して階段を降りていった。
アタシはしばらくの間、その場で呆然と立ち尽くしていた。
一限目の始業ベルが鳴るのを聞いて、アタシは教室に戻った。
美嘉はその日一日中、ケータイをいじっていた。
授業時間も休み時間もずっと。
休み時間になると、廊下で誰かと電話をしているようだった。
きっとアタシへの罰ゲームに何か関係があるのだ、とアタシは思った。
「どうしたの? あんまり元気ないみたいだけど」
不安そうにしていたアタシに、yoshiが声をかけてきた。
アタシは何でもないよと笑った。
うまく笑えていたかどうかわからなかったけれど、yoshiはそう、とだけ言って、席に戻って行った。
yoshiはたぶん、ナナセが中学のときに美嘉にしたことを知らない。
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