上司 vs 同期 vs ...。

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「わざわざありがとう」 「こうやって2人でいる時間が出来るのは、俺にとってはチャンスだからな」 気を遣わせないように言ってくれているから、今は甘えさせてもらおう。 「それはどうかな?」 「うわっ、ひでぇ」 冗談を言いあって笑いながら、じゃあなって踵を返して帰っていった。 オートロックを解除し、周りに誰もいないことを確認してエレベーターに乗り込む。 手紙の差出人がわからない今、隣人とはいえ他人と一緒に乗るのは怖い。 傍から見たら絶対挙動不審だろうけど、そんなこと気にしていられない。 1人暮らしをする時に母に持たされた防犯ブザーを、初めて鞄から出して鍵と一緒に握りしめる。 恐る恐る3階で降りて廊下の突き当たり、きょろきょろしながら辿り着くと握りしめていた鍵を差し込んだ。 そして珍しくドアポストに挟まれた封筒を引き抜く。 「もぅ、やだ……」 思ってもいなかった展開に体中の震えが止まらない。 両腕で体を抱きしめて、そのまま玄関に座り込んだ。 .
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