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「お、いらっしゃい」
「もう来てたのか」
「呼び出しておいて遅いよ」
爽やかな笑顔を振りまきながら司がようやくやってきた。
俺の横に座って同じようにビールを注文して、とりあえず乾杯。
「あぁ、里中さんを家まで送って会社に車置いてきた」
何気ないその言葉に、タバコに火を点けようとしていた手を止めて司に向き直る。
「何で司が茜を家まで送ってるんだよ」
しかもまだそれほど遅い時間でもないし、電車ならいくらでも走ってるはず。
「やっぱり聞いてないのか」
「聞いてないって何を?」
夕方本田から業務連絡の電話を受けた時は何も言っていなかったが、1人で帰れないほどの怪我でもしたとか?
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