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封筒の中身は写真が1枚。
それも1週間前に私が研修に出掛けるために、荷物を抱えてマンションのエントランスを出て行く姿が映されていた。
それを見た途端に背筋を冷たいものが流れた。
「一応警察に届けておこう」
「うん」
動揺する私を励ますように、慎太郎がテキパキと動いてくれて、1人でこれを見なくて済んだことがせめてもの救いだった。
支えるように腰に手を添えた慎太郎がとても頼もしくて、やっぱり男の人なんだってこんな時なのに痛感してしまう。
もし1人だったら怖くてへたり込んでいたかもしれない。
現に手が微かに震えている。
鍵を差し込むことが出来なかった私に代わって、慎太郎がドアを開けてくれて鞄を玄関に置き、そのまま一緒に警察へ。
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