つかの間の休息

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こんなんで今日1日仕事なんて出来るのか心配だ。 「後でな」 「は、はい」 そう言って給湯室を出て行く吉岡さんの背中を、コーヒーを持って追いかけた。 ようやく終業時間を過ぎ、いそいそと帰り支度を始める。 今日は本当に長く感じた。 ちょっとでも吉岡さんが動くとドキリと反応し、その度に目の前の白井さんに笑われて、本当に生きた心地がしなかった。 「茜ちゃん、可愛い」 「白井さん、いじめないでください」 それなのに肝心の吉岡さんは、朝とは打って変わっていつも通りで、それがまた悔しい。 吉岡さんがあんなことするから余計緊張してしまったのに。 1課ではまだ白井さんと本田さんしか知らないから、周りの人たちに気付かれるんじゃないかってドキドキしているのは私だけ。 別に公にすることでも無いし、それでいいんだけど。 「茜、帰るぞ」 「あ、お疲れ様で……」 言いかけた言葉は、ぐいっと引き寄せられたことによって途切れた。 .
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