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「いやだなんて言わせないけどな」
「言いませんよ」
「わかってる」
そんな言い合いも嬉しい。
ゆっくりと体を吉岡さんのほうに向けると、熱いまなざしとぶつかった。
「茜」
「……はい」
「好きだ」
「私もす……」
最後までいうことが出来なかったのは、唇を塞がれたから。
初めて唇に与えられた優しい口づけ。
「これで本当に、手に入れた……」
強く抱きしめる力が吉岡さんの気持ちの大きさを教えてくれるから、私も背中に回した手に精一杯の力を込めた。
「う~ん」
ふいに寝返りを打とうと身を捩ったところで、体が思うように動かないことに気がついて目を覚ました。
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