つかの間の休息

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「う~ん」 ふいに寝返りを打とうと身を捩ったところで、体が思うように動かないことに気がついて目を覚ました。 うっすらと目を開けると、まだあたりは薄暗い。 まだ朝ではないようだ。 もぞもぞと身動ぎはしてみたものの、寝返りを諦めもう一度眠りにつこうと目を閉じる。 夢の中へ沈んでいく途中、頬に感じる規則正しい寝息と嗅ぎ慣れた香水の香り。 無意識に安心感を与えるぬくもりに擦り寄れば、ぎゅっと包まれるような錯覚に陥る。 そこではたと気づき目を凝らせば、目の前には目を閉じた綺麗な寝顔のその人が、穏やかな寝息を立てている。 って言うか顔近っ! それもそのはず、片腕は私の頭の下。 人生初の腕枕状態。 もう片腕は私の腰に回されている。 明らかに抱きしめられている体勢。 「え? ちょっ」 慌てて身動ぎしても、その腕は緩むどころか抱きしめる力を強めた。 「うるさいなぁ」 .
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