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ようやく目覚めたその人は、寝ぼけたまま慌てるそぶりも見せずにもぞもぞと私の肩に顔を埋めた。
もう心臓が止まりそう。
「吉岡さん、ちょっと離して下さい」
「嫌だ」
嫌だって……、そんな子供みたいに言われても……。
首にかかる吐息がくすぐったい。
ペシペシと吉岡さんの腕を叩いて気がついた。
吉岡さん裸だし……。
「どうして服着てないんですか?!」
軽~くパニック。
ベッドから見えるソファーに掛けられているのは、間違いなく吉岡さんのスーツとそのパンツ。
それはもしかして、今下着しか穿いてないってこと?
下着も穿いてなかったらどうしよう。
「そのまま寝たらシワになるし」
そうだけど、いやそういうことではなくて……。
かぁっと真っ赤になった頬を隠しながら、恐る恐る自分の体を見やる。
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