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よかった、ちゃんと着てる。
「脱がして欲しかったか?」
「ち、違います!」
てことは何もなかったってことだよね。
酔っていたわけじゃないから記憶が飛んでるなんてことはないし、何もなかったはず。
「期待に副えなくて悪かったな」
「期待なんてしてません!」
もちろんいつかはそうなるだろうと思ってるけど……。
恥ずかしすぎて顔が見られない。
いつの間にかベッドに頬杖をついてこちらを優しい眼差しでみつめられると、どう反応していいかわからない。
動揺している私を楽しんでいた吉岡さんは、私の頬をひと撫でして額に小さなキスを落とすと、すくっと起き上がった。
「俺は、いったん帰って着替えてから会社に行くから、お前も風呂に入って顔洗って来いよ」
酷い顔してるぞって。
「あ~!」
昨日ソファーで抱きしめられたまま安心して眠ってしまったから、お化粧を落としてない。
ということは、今吉岡さんに酷い顔を晒しているということで。
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