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しかもベッドまで運んでもらっちゃった?
私重かったんじゃないかな?
もぅ、記念すべき日になんて失態。
「そんな顔、他の奴には見せるなよ」
それなのに、どうしてこんなに愛おしそうに笑うんだろう。
「あの……、ありがとうございました」
昨日ストーカーを捕まえてくれたことも、その後のことも含めて。
「茜は俺のだろ? ってことは俺はお前のだ」
だから当然だって顔して、掛け布団をぎゅっと握ってベッドに座っている私を置いて、さっさとスーツに袖を通す。
「はい……」
嬉しすぎる。
本当は昨日のことは夢なんじゃないかって思っていたけど、こうしてそっと頬にキスをくれるから、夢なんかじゃないんだって信じられる。
「じゃあ、会社で会おう」
耳元で優しく囁くと、いつもみたいにふって笑って帰っていった。
本当に夢じゃないよね。
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