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「吉岡さんにガツンとやられてかなり凹んでたわよ。それはもう、見ていられないくらい」
自棄酒に付き合うの大変だったんだから~なんて笑って言ってる。
ということは、慎太郎の横にいたのりちゃんから専務に話が流れ、専務から白井さんに情報が流れたってことか……。
あ~、そういえば『俺のだから邪魔するな』的なことを言っていた気がする。
「そうだよね、ありがとう」
思い出しただけで一気に頬が熱くなった。
ちゃんと私の口から断る前に吉岡さんが言っちゃったから、本当に悪いことをしたと思う。
「お前らうるさいぞ。さっさと自分の席に戻って仕事しろ」
ようやく出勤してきた吉岡さんが、さもうんざりだという顔でのりちゃんと白井さんを追い払う。
「ちょっとくらいいいじゃない、ねぇ茜ちゃん」
「はぁ」
私に振らないで頂きたい。
「茜、コーヒー」
「はい」
急いで立ち上がって、3課に戻るのりちゃんと一緒に1課を出た。
あまりにも普通な対応に、緊張していた私がバカみたいだ。
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