つかの間の休息

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でも今朝みたいな笑顔の吉岡さんを、他の人には見せたくないかも。 「茜ちゃん、顔緩んでるよ。今度ゆっくり話し聞かせてね」 「うん、わかった。今度ね」 両手で赤くなっているだろう頬を隠して、足早に給湯室に逃げ込んだ。 コーヒーメーカーをセットして、吉岡さんと白井さん、本田さんと自分のカップをトレーに乗せて、香ばしい香りが広がるコーヒーが出来上がるのを待つ。 なんとなく1人の空間にホッとしていると、突然後ろから抱きしめられた。 「きゃっ」 驚いてじたばたしても全然逃げられない。 「こら、大人しくしろ」 その声は誰でもない吉岡さんで、こっちは驚いてパニックに陥ろうとしていたのに、面白がってクスクス笑っている。 「もぅ、何するんですか」 さっきは平気な顔してたくせに。 「茜に触れたくなった」 朝まで一緒にいたのにそんなこと……。 後ろから肩に顎を乗せて話されたら、腰が砕けそう。 そんな甘い声出さないで欲しい。 .
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