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「誰かに見られたらどうするんですか」
「こうされるの、いやか?」
「いや、じゃないです、けど……」
そんな質問ずるいよ、いやなわけないじゃない。
「けど?」
「恥ずかしい、です」
ドキドキしている私とは対照的にどこまでもクールな吉岡さんは、ふって笑って開放してくれた。
真っ赤になってる顔をパタパタ仰ぎながらみつめる。
「顔真っ赤」
「誰のせいだと思ってるんですか」
全然悪びれる様子がないから、1人でテンパッて恥ずかしい。
「今日は早く帰るぞ。予定入れるなよ」
「え、は、はい」
今日は帰って1人で幸せに浸るんです、とはさすがに言えなかった。
だって仕事が終わったら一緒にいられるってことだから、それってデートってことだよね。
考えただけで頬が緩む。
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