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アタシはキャバ嬢。
コージは別の店の裏方。
同じ店じゃなくてよかった。
アタシが客にすり寄ってるところを見られたくないもの。
見られたっていいんだけどね。
今までもそうしてきたから。
でも、やっぱり、
見られなくて済むんなら、その方がいい。
アタシに触ってくる男に、
その気があるように見せてるんだから。
触ってくるくらいなんでもない。
それで、また来てくれるんだから。
それが客を惹きつけておく手段。
下品なやり方だけど、
それしか知らない。
他の女の子は、
アタシのことをいろいろ言ってるみたいだけど、
そんなことは気にしやしない。
風俗の頃から、そうだったから。
稼げたきゃ、あんたもして見ろってね。
自分を汚さないで、
この仕事をやろうなんて甘いんだよ。
こんな店でそれを望む客は、純粋さを求めちゃいない。
下品な話をして、下品な事を考えるから、
ここに来てるんだ。
そう思ってやってる。
でも、
部屋に帰ると、
コージがアタシを見る。
全身を見るんだ。
疑ってるんだ。
あの頃のアタシを知ってるから。
またあんなこと、やってるんじゃないかって。
信じてないんだよね。
アタシのこと。
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