第2話

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コージはまだ帰ってない。 アタシはひとりで、テイーバッグの紅茶を淹れて、 ミルクを少し。 砂糖は入れない。 ケーキが甘いから。 メイクを落とす前に、 さっさとひとりで食べた。 部屋もまだ暖まっていない。 さすがにもう、潰れるほどは飲んでない。 帰る場所があるからなのか、 それとも、 酒に酔わなくなってしまったのか。 少し待ったが、帰ってこないから、 熱いお風呂に浸かって、 早々とベッドに潜り込んだ。 ここに来てふた月。 ひとりで眠るのも、それ以来。 なんか、寒い。 部屋は暖まってるのに… コージの肌が欲しい。 あれほど独りがいいなんて思っていたのに、 もう、コージに随分と依存してる自分が可笑しい。 いつか、居なくなってしまう筈なのに。 もしかしたらコージはもう… アタシの所には帰ってこないんじゃないかって、 感じた… そう思ってるだけで、涙が出てる自分が、 なんか不思議だ。 はじめからそのつもりだったはずなのに。 ガチャ ガチャガチャ 鍵を開けて玄関に鍵を置く音がした。 ああ… 良かった。 帰ってきてくれたんだ… ホッとして、 また涙が出てくる。
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