19人が本棚に入れています
本棚に追加
コージはまだ帰ってない。
アタシはひとりで、テイーバッグの紅茶を淹れて、
ミルクを少し。
砂糖は入れない。
ケーキが甘いから。
メイクを落とす前に、
さっさとひとりで食べた。
部屋もまだ暖まっていない。
さすがにもう、潰れるほどは飲んでない。
帰る場所があるからなのか、
それとも、
酒に酔わなくなってしまったのか。
少し待ったが、帰ってこないから、
熱いお風呂に浸かって、
早々とベッドに潜り込んだ。
ここに来てふた月。
ひとりで眠るのも、それ以来。
なんか、寒い。
部屋は暖まってるのに…
コージの肌が欲しい。
あれほど独りがいいなんて思っていたのに、
もう、コージに随分と依存してる自分が可笑しい。
いつか、居なくなってしまう筈なのに。
もしかしたらコージはもう…
アタシの所には帰ってこないんじゃないかって、
感じた…
そう思ってるだけで、涙が出てる自分が、
なんか不思議だ。
はじめからそのつもりだったはずなのに。
ガチャ
ガチャガチャ
鍵を開けて玄関に鍵を置く音がした。
ああ…
良かった。
帰ってきてくれたんだ…
ホッとして、
また涙が出てくる。
最初のコメントを投稿しよう!