第2話

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手を握り合ったままバスに乗った。 こんな関係は長くは続かないことは、 何となく解っていた。 でも、今、アタシの心を揺らせているのは、 紛れもなく、この人… 「ママにはなんて言ったの…?」 そう。 やっぱり気になる。 ママがちゃんと解ってくれたのかって事。 「うん… 昨日から話しはしてたんだ。 別れ話。 あれは、樹里も知ってるだろうけど、 気が強い。 もう帰ってくるなって昨日は追い出されて、 荷物を持って家を出た。 それで、メールをしたんだ。 断られるだろうと思ったから。 電話じゃ。 部屋に行かなかったのは、 あれが乗り込んで来るかも知れないって思ったから。 樹里は来ないだろうとは思ってた。 だから、昼って言った。 夕方まで待って来なかったらこっちに来ようと思ってね。 どんなことをしても、樹里と一緒に居たい。 どこに行っても、ずっと離れない。 愛してるんだ。」 愛してる…? 愛してるなんて、 言われたことがない。 愛なんて… アタシ、知らない。 それは… 確かなものなの…?
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