第2話

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今までにない感じ… 心が伴うと、 こんな感じなの…? アタシ… 今まで知らなかった。 マスター… コージは優しくて、 今までも優しかったんだけど、それとは違って、 アタシだけのコージだって思う気持ちと相まって、 満たされて… 潤って… 本当にいいの…? アタシがこんな気持ちになっても。 不安な気持ちが目を覚ますが、 でも、それをもすぐに消し去ってしまうほど 感じている。 幸福感を… アタシは… 昨日までの世捨て人ではない。 今は、独りじゃない。 アタシを満足させて眠ってしまったコージを 抱き締める。 母親のように 子供のように 汚れてしまったアタシの心も、 少し、 浄化された気がする。 愛しいと思えるから。 コージが… でも、 どこかで自分に言い聞かせてる。 これは束の間の夢の中。 いつかは夢から覚めて、 やっぱり独りだったんだと、 思い知らされるときが来る。 だから、 コージでいっぱいにしちゃダメ。 って。 結局、 その日が来るのを待っていたのかも知れない。 独りになる日を、 待ち望んでいたのかも知れない。 その方が楽だと。 それがアタシに似合ってると。
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