第2話

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狂った時間が永遠に続く… 「でもな… 樹里が背負ってる何かを知りたくないんだ。 怖い。 本当は、今になるまでなにが樹里をそうさせてきたのか、 聞かなけりゃいけない気がする。 だけど、 聞きたくない。 俺が居るから。 もうあんなことはやめてくれ。 自分を捨ててるみたいで、 たまらないんだ。 自分を切り売りして、 今まで生きてきたんだろうけど、 もう限界だと思う。 おまえの顔を見てると、そんな気がするんだ。 実はな… あれと別れたのは、 もう、とっくに決めてたことなんだ。 子供は俺の子じゃない。 俺の子として育てると言って結婚したけど、 どうしても、前の男の陰がつきまとって、 もう無理だと思ってた。 生まれる前から、 そう思ってた。 でも、昔からの腐れ縁でな。 行き場のない俺をマスターとして置いてくれたし、 言い訳だけどな… そんな言い訳をして、 今までも逃げてた。 樹里が現れるまでは…」 身の上話をしながらアタシを抱くコージが、 可哀想になったんだ。 言い訳をして、 アタシに逃げて。 言い訳をして、 アタシを抱く。 コージ… あんた、これからもそうやって生きていくの? 次にいい女を見つけたら、 そうやって、 アタシから逃げるの…?
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