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水商売用の部屋がある。
それはアタシは知らなかったことだけど、
コージが知ってた。
夜の町にあるそう言うことを教えてくれる案内所みたいなところで、
教えて貰った。
1LDKの部屋。
なにもない部屋。
だけど、
ふたりで住むにはじゅうぶんの部屋。
とりあえず。布団だけを買いに行った。
今日寝る為に。
そして、その案内所で教えて貰った店を訪ねる。
アタシはすぐに決まったけど、
コージは、
何日か決まらなかった。
でも、
いいんだ。
金ならある。
コージはそんなには持っていないけど、
アタシは風俗の時から貯めた金がまだたくさんあるから。
アタシは金を使うのが苦手だ。
仕事の服は買うけど、それ以外には興味がない。
アクセサリーだって同じ。
ドレスに合わせるものは買うけど、
普段に着けるものなんて必要ない。
だから、顔を変えた以外には、
そんなに金を使わなかった。
だから、
風俗の店でずっとナンバー1だった頃の金が、まだ殆ど手つかずであるんだ。
テレビや冷蔵庫なんかの電気製品と、
ベッドやソファーなんかの家具は、
近くの電気屋と家具屋で配達をして貰って、
もうすっかり普通の部屋になってる。
昔は部屋を飾ったけど、
今はもう、そんな興味ない。
ごちゃごちゃしてたら掃除が大変だ。
ここでいつまで、暮らせるのだろうか。
始めたら終わりを考える。
それがアタシの生きてきた考え。
きっと終わりが来るんだ。
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