彼と彼女の真実

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一応一緒に頭を下げてみたけど、これでよかったんだよね。 聞きたいことは山ほどある、だけどどれから聞いたらいいのかわからない。 それでなくても吉岡さんも私も疲れ果てている。 電車で帰る気にもなれずにタクシーを拾い、手を引かれるまま一緒に乗り込んだ。 目的地は意外にも私の部屋。 「たぶんマンションにも詰めてるだろうから、しばらく茜のうちにいることにする」 「はぁ、そうですか。……は? うちですか?」 「なんだ、文句あるのか?」 「ないですけど……」 お兄さんのところとか、実家とかはなし? そんな私の考えなんてお見通しなようで。 .
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