彼と彼女の真実

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「社長も考えてくれるみたいだし、いざとなったら兄貴が弁護士だから手を借りるかもな。それは最終手段だけど」 出来るなら穏便に収まって欲しい。 ていうかお兄さん弁護士さんなんですか。 「帰るぞ」 「はい。あ、でも今下に取材の人たちが待ち伏せているみたいですよ」 堂々としているのはいいけど、取材陣の前にわざわざ出て行かなくても……。 「ちょうどいいだろ。ほら行くぞ」 何がちょうどいいのかはわからないけど、揺るぎない決心をした吉岡さんを止めることなんて出来なくて、手を引かれるまま1課を後にした。 エレベーターを降りると、入口付近で警備員に押さえられるようにして取材の人たちが集まっている。 もしかしたら前を通っても気がつかなかったりして。 .
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