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おもむろに携帯の通話を終了して振り返る。
電話の相手はもちろん事務所の先輩であるリナさん。
初仕事から意気投合していつも一緒にいる3人で、いつものようにのんびりしているときにいきなりかかってきた。
なんだか切羽詰った様子にハイと返事を返すのが精一杯で。
「なぁ、お前らどうする?」
不安そうな顔をしている奴らに聞いてみても、いい案なんて浮かんでいるわけがない。
「どうって言われても、それって断れんの?」
「リナさんに言われたらやるしかないだろ」
「……だよな」
「……」
簡単に断れるくらいなら、もうとっくに断ってるよ。
缶コーヒーを片手にため息を吐く。
「上手くいくかな?」
「上手くいかなくてもやるしかないだろうな」
全然気が進まないけど、出来るだけ大事にならないように、だけどリナさんが納得する形にしなければならない。
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