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どっちにしても吉岡さんが一生懸命説得してくれたお陰。
大変なところを全然見せないで、涼しい顔して何でもこなしているように見せかけて、それなりの隠れた努力があったということだ。
「ということだから、大人しくうちに引越してこい」
「はい」
嬉しいのと照れるのと、複雑な思いで母の顔を見れば、満面の笑み。
「よかったわね」
「うん」
緊張するし、そんなに自信はないんだけど、吉岡さんと一緒に暮らせると思うと嬉しくて、両親がいなかったら抱きつきたい気分。
それをわかってくれたのか、吉岡さんはふって笑って頭を撫でてくれた。
「とりあえず今日はこれで帰ります。ゆっくり休んでください。また明日の撮影のときに迎えに来ますから」
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