第2話

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  (壁かと思った……)       歳の頃は不惑前後だろうか……。   見るからに骨太で大柄な体躯を深い青墨(あおずみ)のスーツに収め。そこに、無造作に羽織った同系色のロング・コートが、柔らかに裾を揺らしてい。   比較的ビジネスマンの往来が多い通りに面している為、そうした格好を目にすることは珍しくは、ない。    ……が。  
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