第2話

6/31
前へ
/31ページ
次へ
  「此処。ケーキ屋……だよ、な?」   「はい。この時間ですので、イート・インは店内のみになります。ただ、本日は種類を限らせて頂いておりますが」   昨今は、独りで来店し、堂々と甘味を愉しむ男性客も増えた。 こちらの強面の御仁が“其れ”であっても、殊更、可笑しな話ではない。   「いや、食うのじゃなくて塊を探してるんだが」   「ホールのテイク・アウトですね。御座いますよ」       言って。僕は、店の扉に手を掛けた。  
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加