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「ん?」
まだ私の胸に伸ばしている吉岡さんの不埒な手をパチンと叩く。
「急いで用意しないと遅刻ですよ」
出掛ける準備をするために洗面所に向かう。
結局用意が出来たのはいつも家を出る時間ぎりぎりで、コーヒーさえ飲むことが出来なかった。
「ごめんなさい」
電車に揺られながら自己嫌悪。
「気にするな、今朝はしょうがないだろ。俺のせいでもあるわけだし」
嬉しそうに耳元で囁かれても……。
『俺のせいでも』じゃなくて俺のせいでしょうが!
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